Perio

歯周病治療

歯周病治療

歯周病は、単に歯肉の病気だと思っていませんか?
実は、歯周病はその下にある歯槽骨まで侵食する可能性があります。歯槽骨は適度なクッションを保ちながら、歯を支える役割があります。この骨がなくなると、いくら丈夫な歯でもあっさりと抜けてしまいます。
歯周病の原因は、歯と歯肉の間に溜まる歯垢だと言われています。歯垢に含まれる細菌によって歯肉が炎症を起こし腫れるだけでなく、骨まで溶けてしまいます。骨によって支えられていた歯が不安定になるなど、歯周病は重篤な症状を引き起こします。
歯周病の予防および治療として、正しいブラッシングで歯垢を取り除き、口腔内を清潔に保つことがなによりも大切です。

マイクロスコープ

マイクロスコープとは、治療部位などを拡大して見るための実体顕微鏡です。
肉眼では見ることのできない歯の様子を確認でき、より正確な診断や精密な治療をすることが可能になります。
特に歯周病の治療においては、歯肉の奥深くに潜む歯石や炎症の原因となる細菌を目で確認しながら取り除くことができるため、より確実で効果的な処置が行えます。
口腔内の画像を確認しながら説明ができるため、わかりやすく情報共有ができます。治療の精度が上がるとともに、患者さまにもご安心していただける装置です。

歯周病治療の流れ

  1. Step 01

    治療計画

    患者さまにお口のお悩みを詳しくお伺いし、歯周病がどれくらい進行しているか確認します。適切に検査をしたうえで診断し、患者さまの症状に合った治療計画を立案します。内容について患者さまに詳しくご説明し、ご納得いただけたら治療に進みます。

  2. Step 02

    初期治療

    歯周病の原因である歯垢と歯石を取り除くために、スケーリングやルートプレーニングという処置をします。また、ご自宅でのケアのレベルを高めるためにブラッシング指導などもします。お口の中が清潔な環境になるようなサイクルを作り出し、歯周病が改善していくか様子を見ます。

  3. Step 03

    再評価

    初期治療が完了したら、再び歯周病の検査をします。歯周ポケットの深さや歯の動揺度の測定をするなどし、初期治療の効果がどれくらい現れているか確認します。初期の歯周病であれば、多くの場合は初期治療だけでも大きな効果が見られます。

  4. Step 04

    歯周外科治療
    (※必要な場合のみ)

    初期治療だけでは歯周ポケットが改善されない場合は、歯周外科治療を検討します。歯周ポケットの深いところに残っている歯垢や歯石などの汚れを除去するために、汚染された組織を切除するなどして歯周ポケットを浅くします。

  5. Step 05

    メンテナンス

    患部の状態が安定してきたら、歯周ポケットが浅くなった歯周組織を維持するためにメンテナンスを行ないます。歯周病は再発しやすい病気であるため、歯科医療のプロによるチェックを受けることが大切です。健康状態を確認するとともに、ご自宅でのケアが上手にできているか調べます。

歯周病の検査方法

  • プロービング検査

    プローブという細い器具を歯周ポケットに差し込み、深さを計測します。健康な歯肉は歯周ポケットの深さが3mm以下とされており、プロービング検査でそれを上回った場合は歯周病の可能性を指摘します。また、検査時に出血した場合も、炎症の可能性を考慮します。

  • 歯の動揺度検査

    歯のぐらつきがどれくらい大きいか診査することにより、歯周組織の状態を判断します。ピンセットなどで歯を調べ、前後左右、または上下に動くようであれば大きな動揺度と判定されます。大きく揺れるほど歯周組織の炎症などが進んでおり、歯周病も進行していると考えられます。

  • レントゲン検査

    口腔内の全体像を把握するために行なう検査です。炎症の程度や骨の減少がどれくらいかを確認します。歯を支えている歯槽骨の状態がわかり、本来の歯肉のラインからどれだけ下がっているかなどが可視化されます。こうした写真を参考に、歯周ポケットの深さを測定します。

歯周病の初期治療

ブラッシング指導

初期の歯周病であれば、毎日のブラッシングをしっかり行なうことで改善します。歯と歯肉の間にある歯周ポケットに歯ブラシが当たるよう、歯ブラシの持ち方や動かし方などを実践的に指導します。歯周ポケットに入り込んだ歯垢を取り除くことで、症状が回復します。

スケーリング・
ルートプレーニング

歯周病の原因となる歯石を取り除くための処置です。肉眼で見える歯肉縁上の歯石を取るのがスケーリング、肉眼では見えにくい、歯肉縁下に付着している歯石を除去するのがルートプレーニングです。歯石は歯周ポケットや歯根などに堆積します。

生活習慣指導

長時間かけてダラダラ食べていたり、間食が多かったりすると、口腔内の細菌が増殖して歯垢が付着しやすくなります。また、ストレスも歯周病と関連があります。こうした生活習慣についてヒアリングし、直すべきポイントについて指導します。

禁煙指導

タバコの煙を吸収することにより、一酸化炭素やニコチンといった成分が歯肉を弱らせてしまいます。さらに、歯にヤニが付着すると表面がザラつき、細菌が付きやすくなります。喫煙習慣がある患者さまには禁煙指導を行ない、歯周病のリスクを減らします。

リスク・副作用

歯周病治療/歯周組織再生治療/歯周外科にともなう一般的なリスク・副作用

・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・歯周病の進行状況によりますが、歯垢や歯石の除去時に痛みを感じることがあります。
・治療に対して患者さまが協力的でない場合は、改善に歯周外科治療や歯周組織再生療法が必要になることがあります。その場合、歯肉を切開するため腫れや痛みをともなうことがあります。
・治療後歯肉が下がることがあります。
・治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差とが目立つことがあります。

マイクロスコープの使用にともなう一般的なリスク・副作用

・治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
・精密な治療を行なうための歯科用顕微鏡であり、焦点の合う範囲が狭いため、立体的な観察機器としては必ずしも適しません。治療内容によっては使用しない場合があります。

スケーリング/ルートプレーニングにともなう一般的なリスク・副作用

・基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
・ルートプレーニングは、歯肉の中に器具を入れるため通常の歯石除去よりも痛みを感じることがあります。
・歯のすき間に付着していた歯石が除去されることで、歯のすき間が目立つことがあります。
・処置後、歯肉から出血することがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後1~2日、何もしなくても痛みが出ることがあります。また噛んだときや歯を磨くときも痛みが出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後、しばらく知覚過敏の症状が出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
・処置後、歯肉の退縮を引き起こすことがあります。